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■過剰な品質が与えられた初代セルシオ
1989年にトヨタから初代セルシオ(F10型)がデビューした時、日本は正にバブル期とあって何ヶ月ものバックオーダーを抱えるほどの人気を誇りました。
また、この年は日本車のビンテージイヤーとも呼ばれ、ユーノス・ロードスター(現行マツダ・ロードスター)、スカイラインGT-R(R32型)、翌90年にはホンダNS-Xなど、数多くのエポックメイキングなクルマが登場しています。建築や芸術などでもそうですが、豊かな時期に計画されたクルマたちは、ある意味コストを度外視して、夢や理想を追求しました。この時期の日本車は世界的にみても過剰なまでの性能が与えられていたのです。そしてセルシオをはじめ、そうしたクルマのいくつかは、時を経た今もその価値を失うことなく輝き続けているのです。
■キープコンセプトによる正常進化でどのモデルも人気
トヨタ セルシオはその後1994年にフルモデルチェンジされて、2代目(F20型)となり、2000年には最終の3代目(F30型)と進化しました。
スタイリングはいずれもキープコンセプトで、どのモデルも一見してセルシオと分かるように仕立てられています。これは高級車を好む保守的な層に受け入れられるよう配慮されたものです。イメージを変えないことで旧モデルの価値を保つと共に、抵抗なく新型へ乗り換えてもらうためでもありました。
ベンツやBMW等、欧州車も同様のモデルチェンジが多いですが、トヨタ セルシオもそれぞれの型が成功を収め、高級車として高い評価を得たため、大きなイメージチェンジが必要なかったということでしょう。
■レクサスブランドで海外での評価も高い
ご存知の方も多いようにセルシオは日本名で、海外では初代から「レクサス」ブランドで販売されていました。これはトヨタ=大衆車のイメージの強い海外で、日本に先行して採られたブランディング戦略です。特に北米では大成功を収め、かのビル・ゲイツも愛用したほどでした。
またアメリカの市場調査会社J.D.パワー・アンド・アソシエイツによる、英国の顧客満足度調査で7年連続の第1位(2007年レクサス含む)、同米国における初期品質調査で、2006年まで12年連続の第1位(レクサス含む)など、セルシオは登場以来、海外での評価が非常に高いことも特徴でした。まさにセルシオは当時から世界品質だったといえます。