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■価格・サイズ・エンジンの違い
それでは高級車と大衆車はどこがどう違うのか?ということについてご説明します。まずは当然ですが値段が違います。トヨタ セルシオの場合、新車当時の車両価格は大体600~800万円でした。これが同じトヨタのヴィッツになると100~170万円ほどですから、トヨタ セルシオ1台でヴィッツが5台も6台も買えてしまうわけです(あくまで新車での話です)。
エンジンはセルシオが4300ccでヴィッツが1000~1500ccですから、価格差ほどでないにしろ約4倍の大きさがあります。ボディサイズはセルシオが、全長×全幅×全高5015×1830×1470mm、ヴィッツが3785×1695×1520mmとなり、当然ですがそれほど大きな差はありません。全高はむしろヴィッツの方が高く、車内のスペースも荷物が少なければヴィッツでも十分なほどで、大人4人が楽々乗れてしまいます。
■高級車は味を楽しむ感性商品
ではトヨタ セルシオのような高級車は何が違うのか? 一言でいえば「すべての高級感」です。塗装の艶から内装の革の質、エンジンやブレーキ、ステアリングのフィール、スイッチのタッチなどすべてが違います。同じトヨタ車のヴィッツでも過不足は無いですが、深みのある塗装の艶にうっとりするといった楽しみはありませんし、滑るように滑らかな乗り心地に感銘を受けることもありません。
またクルマだけではなく、多くの高級ブランド品は所有する楽しみを与えてくれますが、トヨタのセルシオもまた乗るだけではなく、見ても触っても楽しめるブランド品なのです。もちろん小型車には小型車なりの楽しみもあります。エンジンの能力をフルに使って、キビキビとスポーティーに走る小型車は、スポーツカーと同様、運転する楽しみがあります。
一方セルシオの場合、特に優れているのは静粛性です。これは当時世界一でした。150km/hくらいまではほぼ無音です。100km/hから軽くアクセルを踏むと、無音のままぐんぐんシートに背中が押し付けられ、あっという間に180km/hくらいになります。振動もまったく伝えないエンジンは、トルクの出方が不気味なほどで、まるで風船が膨らむように「プシュー」と加速する様はとても印象的でした。
■燃費と維持費の違いは?
かくも多様な楽しみを与えてくれるトヨタ セルシオですが、燃費と維持費は大衆車に比べるとそれなりのエキストラを要求されます。カタログデータを見る限り、セルシオ30型の燃料消費率(10/15モード走行)8.9km/lに対し、ヴィッツは18.6km/lですから倍以上の開きがあります。
しかし、実際にはこれほどの差はありません。なぜなら余裕のあるセルシオは同じ加速をするにしてもアクセルをほとんど開けなくても済むのに対し、エンジンの小さなヴィッツはアクセルを踏み込まないと加速しないからです。特に高速道路での追い越しや坂道などではヴィッツの燃費は急に悪くなってしまいます。経験上、高速の100km/h巡航ではセルシオでも12km/l以上は走りますし、逆にヴィッツでは15km/lくらいではないでしょうか?
維持費については後で詳しく述べますが、自動車税がセルシオ76500円に対し、ヴィッツ34500円(1.5リッター)、重量税は3年でセルシオが75600円に対し、ヴィッツ56700円とこれもさほどの開きはありません。
つまりこれらの点から判断するに「高級車が大衆車の何倍も金を喰う」という先入観は必ずしも正しくないと言えるわけです。